ここまでの解決策はいかがでしたでしょうか?少しでも皆さんの心に届いていたら、とても嬉しいです。
さて、今回はレクリエーションの最中に複数のご利用者様が別の話を始めてしまったときにどうしたらよいか?ということですが、そもそも介護の現場のレクリエーションのあり方を考えてみる必要があります。
レクリエーション介護士は介護レクリエーションの定義を「高齢者の生きる喜びや楽しみを見出す活動」としています。ゆえに、レクリエーションを提供するときには、参加する高齢者たちがどんなことに興味があるのか?どんな経験をしてきたのか?どんな趣味や特技があるのかを、日常のコミュニケーションを通してアセスメントをしっかりとっておく必要があります。
では、介護の現場のレクリエーションとはどんな立ち位置なのでしょうか?学校であれば、クラスレクリエーションをすることがあります。これは子供たちが健やかな社会性を育むことが目的であり、子供たちにとっては学習の一環です。
高齢者が施設でレクリエーションをうけるのは、この状況とは全く違います。そもそも介護の現場のレクリエーション自体、強制ではない。という前提があるのです。
このときに、ファシリテーターをしている職員は、「自分のレクリエーションに参加してもらえていない!」という気持ちから焦ることもあるかもしれませんが、実はまったく焦る必要はないのです。
よく考えてみてください!高齢者同士が自発的にコミュニケーションを取り合って、楽しんでいるのです!これは自発的なレクリエーションができているということで、とても雰囲気つくりが上手にできた!ということなのです。むしろ、喜んでいただきたいと私は思っています。介護レクリエーションの最終的な理想の形は高齢者による自発的なレクリエーションです。それに一歩近づいたと思って良いと思います。
極端な話、大多数の高齢者がそういったおしゃべりに参加し楽しんでいるのであれば、むしろレクリエーションは中断して、そちらを主流とするという考え方もあるのです。
介護の現場では職員に「レクリエーションを行う」という仕事が課せられていることがほとんどです。しかし、これはあくまで職員側の「仕事」の一環であって、受ける高齢者からしたら、「絶対に受けなければならない」という義務はないのだということを、再度自分自身で認識しておく必要があります。
介護の現場におけるレクリエーションとは、「高齢者の日々の生活の中に喜びや楽しみを見出す活動」を言います。
私たちが日々に様々なスパイスを加えて楽しんでいるように、高齢者が日々の生活に彩を加えるための支援こそが、介護の現場のレクリエーションなのです。
迷ったときは、この基本に立ち戻ってみてください。きっと、答えがみつかるはずです。
>月ごとの高齢者向けレクリエーション集
【介護現場のレクの悩みあるあるをスパッと解決】
vol.1 介護現場でレクレーションが担う役割
vol.2 介護現場で使える資格「レクリエーション介護士」
vol.3 介護現場のレクだけを担うお仕事
vol.4 介護度の異なる利用者さんに提供するレクってどうしたらいいの?
vol.5 回想レクリエーションのやり方を教えて!
vol.6 レク中に利用者さんが複数で話し始めてしまった時、どうしたらいいの?
vol.7 繰り返し行えるレクが知りたい