未経験から介護業界に飛び込もうとしているあなた。履歴書の、志望動機の欄でつまずいていませんか?とくに介護職未経験の場合には、なぜ介護職を目指そうと思ったのか、なかなか説明しづらいことがあるかもしれませんね。
でも採用担当者にとっては、「介護未経験で、なぜ介護職を志したのか?」は必ず聞いておきたい項目です。採用担当者に響く志望動機とはどういうものかについて、例文やNG例を交えながら詳しくご紹介します。
履歴書の書き方の基本
採用担当者に好印象を与える履歴書の書き方について、まずは基本編から。
ひとつは「簡潔に書くこと」です。いくら熱意を伝えたくても、同じようなことを繰り返し書いたり、枠からはみ出して書くのはNG。読む人が負担を感じないように気を付けましょう。
また、修正液や修正テープは使わないようにしましょう。なぜなら、修正液や修正テープを使うとだれが修正したものかが分からず、履歴書そのものの信ぴょう性を下げてしまいかねないからです。書き損じが出ることを想定して、用紙は多めに用意しておきましょう。
パソコンか手書きかで迷った場合については、できれば手書きをおすすめします。「直筆で」という指定がない限り、手書きとパソコンどちらでもOKではあるのですが、一文字ずつ丁寧に書かれていると人となりが垣間見れて、好印象を与えることもあります。
パソコンならパパッと素早く作成できますが、行間に熱意まで込めることはできません。たとえ字が下手でも、丁寧に書いてあれば気持ちは伝わるものです。
いろいろなシチュエーションでの例文
志望動機の鉄則として覚えておいてほしいこと、それは「必ず自己PRを盛り込む」ことです。採用担当者の本音を言うと、志望動機はそれほど重要ではありません。きっかけは何であれ、途中で投げ出さずにがんばってくれる人を採用したいと思っています。
ですので、志望動機に感動的なエピソードを書く必要はありません。それよりも「いままでどんな経験をしてきたのか」「自分はどんなことができるのか」「この職場でどんな仕事をしたいのか」を盛り込むようにすると効果的です。
●例文(営業職からの転職)
私は以前営業職をしており、1日○件の電話営業を△年続けてきました。続けるなかで、なにごともポジティブにとらえる癖がつきました。なかには難しいクライアント様もいましたが、自分なりに対応法を考えて試していくうちに、相手のふところに入れてもらえる瞬間がありました。そうした人との関わりに達成感ややりがいを感じ、もっと深めていきたいと考えたのが介護業界に興味を持ったきっかけです。相手に何かを売るのではなく、サービスを提供することで感謝してもらえる介護職は、私にとってとても魅力的だと感じ志望いたしました。
●例文(主婦から介護職)
子育てがひと段落し、自分の能力を生かして世の中の役に立てることを探していました。ちょうど友人に親の介護が始まり、その相談に乗っていたところ、「あなたの聞き上手なところは介護の仕事に向いている」と言われ介護業界に興味を持つようになりました。介護は未経験で資格もありませんが、人を喜ばせることが大好きなので、家事や料理のスキル、協調性や責任感の強さを生かしてお役に立てたらと考えています。機会をいただけましたら、まずは少しでも早く仕事を覚えつつ、資格取得を目標にがんばりたいと思っております。
●例文(接客販売業から介護職)
もともと人と話すのが好きな性格で、○年ほどショップ店員をしていました。はじめは壁をつくっていた人も、こちらから笑顔で話しかけるうちに本音を話してくださるなど、新たな発見ができました。お客様とのコミュニケーションにやりがいを感じるうちに、もっとお客様と近い距離で仕事がしたいと思うようになり、介護は自分のやりたいことに合っていると考え、今回思いきって応募させていただきました。
●例文(身内の介護体験から介護職)
きっかけになったのは、祖母が認知症を患い介護施設に入居したことです。スタッフの方がいつも笑顔で祖母の話に耳を傾けてくださり、表情が穏やかになったことがとても印象的でした。自分もこんなふうに専門知識や技術を身につけ、病気の人を元気づけたいと考えたことが志望の理由です。やるからには利用者様に頼りにしてもらえる介護スタッフを目指し、1日も早くスキルを身につけたいと考えて、現在通信教育で介護の資格勉強をしております
◆Point!
上の例文のように、志望動機にはあなた自身の経験してきたこと、得意なこと、これからやりたいことを盛り込むようにしましょう。「人の役に立ちたいと思った」「介護業界は将来性がある」といった理由ももちろん悪くはないのですが、「この人がどんなふうにがんばってくれるのか」につながらないため、採用担当者の心に刺さりにくいのです。
好感度を下げてしまうNG志望動機もチェック
待遇だけを前面に出した志望動機
「今の職よりも給料が良いため」「残業が少なそうなので」「休みがしっかりと取れそうなので」「職場が近くで通勤が楽だから」・・・これらは志望動機としてはNGです。
もちろん待遇面は働くうえでとても大切なことですが、それを前面に押し出さないように注意しましょう。仕事内容には興味がなく、まるで働く意志が感じられないと思われてしまいます。メインの志望動機は必ず自己PRに絡めて考え、待遇については聞かれたら答える程度にとどめましょう。
受身の志望動機
「学ばせていただきたい」「教育制度が充実しているので」「未経験でも教えてもらえるとのことだったので」・・・一見悪くなさそうな志望動機ですが、これらに共通しているのは「受身」であること。
採用担当者は、職場があなたに与えるものよりも、あなたが職場に与えてくれるものの方に興味があります。「貴施設で○○のスキルを身につけ、○○できる介護スタッフとしてお役に立ちたい」などと表現する方が好印象です。
あなただけの志望動機を見つけよう
「志望動機と言われてもなあ」「そんな立派なものじゃないし・・・」というあなた。未経験から介護職へ飛び込もうとしている時点で、周囲を思いやり、がんばれる心を持った人なのではないでしょうか。
周囲が「なるほど!」と納得する志望動機は、自分のなかに必ずあります。例文を参考に、じっくりと心のなかを覗きこみ、あなただけの志望動機を書きあげてくださいね。