認知症の人も楽しめるレクリエーションのコツとアイデア

使えるハウツー


「認知症の人がレクリエーションに興味を示してくれない」「ゲーム選びが難しい」etc・・・

どうすれば認知症の人にレクリエーションを楽しんでもらえるか。介護現場によくある悩みのひとつです。

認知症の人が暮らすグループホームはもちろんですが、近年はデイサービスや老人ホームといった施設でも認知症の人が増えており、それに対応したレクリエーションが介護スタッフに求められるようになっています。

そこで今回は、認知症の人にも無理なく楽しんでもらうためのコツと、経験の浅いスタッフでも簡単にできる認知症の人向けレクリエーションのアイデアをお伝えしていきます!

認知症の人のレクリエーションの目的

一般的に高齢者レクリエーションの主な目的は、以下の3つにまとめることができます。

  1. 五感を刺激することなどによる脳の活性化
  2. 体を動かすことによる運動機能の向上
  3. 他者とのコミュニケーションによる精神面の効果

認知症の場合、もちろん1や2の目的も達成できれば良いのですが、重視したいのは3です。

認知症の人のレクリエーションは「居場所をつくってもらうこと」「しあわせな気分になってもらうこと」「楽しいと思ってもらうこと」が一番の目的。

1や2の要素が強いレクリエーションで機能回復につなげようとがんばってしまうと、認知症の人はできないことに不安やストレスを感じてしまい、楽しむことができません。

集中して達成するようなゲームや、記憶力を競うような脳トレゲームではなく、「楽しい」「気持ちいい」「嬉しい」といった感情を刺激できるようなプログラムで、認知症の人が安心して楽しめる居場所をつくっていきましょう。

レクリエーションを成功させるポイント

【難易度】
認知症の症状として、「言葉の意味がわからない」「ものの用途や意味がわからない」といったことがあります。

また、モノとモノの間の距離感がつかみづらかったり、手足を素早く動かすということも認知症の人にとっては難しいことです。なので、「これはちょっと簡単すぎるかな?」というくらいの難易度でちょうど良いと考えておきましょう。

童謡を歌って手遊びするような簡単なレクリエーションだと、「こんな軟弱な遊びはできない」と反発する人もいるかもしれません。そんなときは、「このレクには喉の筋肉を鍛えて、食事が飲み込みやすくなる効果があります」「この体操には手足の血流が増える効果があります」などとレクリエーションの目的や効果を伝えるようにすると、納得してもらえることがあります。

【時間】
時間は10分〜15分程度を目安に。あまり長くせず、飽きてしまう前に終わるようにしましょう。「もう少しやりたいな」という余韻が残るくらいで、終了の言葉かけに入るのがベストです。

【説明のしかた】
ゲームのルールなどの説明は、ゆっくり、はっきりと話すようにしましょう。

また、言葉だけで伝えようとしても、認知症の人には意味がわかりにくいことがあります。文字や絵にすると伝わりやすくなることがあるので、事前に準備しておくと良いでしょう。

【注意点】
レクリエーションへの参加は、本人の気持ち次第です。明らかに嫌がっている様子にもかかわらず無理強いしてしまうことは禁物です。

やりたくないことを無理にさせられるのは、認知症の人にとって逆効果。こうしたことが重なると、認知症の人の怒りを誘発したり、意欲を減退させることにもつながり、症状を悪化させかねません。

本人の様子を見て、興味がありそうなら「見ているだけでもいいですよ」「○○さんもちょっとやってみましょうか」などとやさしく声をかけましょう。

また、トイレに不安のある人がいる場合は、トイレに行きやすい配置を考えるようにしましょう。

手遊び系レクリエーション3選

後出しじゃんけんであいこになろう

スタッフが前に立ち、「じゃーんけーん、ポン!」の掛け声でじゃんけんを出します。スタッフの手の形を見て、利用者はあいこになるように手を出します。手を出すときには「ポン!」と声も出してもらいましょう。

1回ずつ「みなさん、できましたかー?○○さん、これじゃ私が負けちゃいます、あいこでお願いします」などと声をかけて、楽しい雰囲気になるよう盛り上げましょう。

簡単にできるようなら、次はスタッフに勝つように出してもらうなど、少しルールを変えてみましょう。

指折り数えて

スタッフが前に立ち、みんなで1~10までの数字を言いながら、親指から順に指を曲げていきます。最後は両手がグーになるはずなので、「はい、みなさん両手がグーになっていますか?すごい!みなさん優秀ですね!それじゃあ行きますよ、せーの、パー!」などと声をかけながら、みんなで一斉にパーにします。

これができたら、次は小指から順に指を曲げていき、これも最後はパーにします。

指をうまく動かせなくても、数を数える声や「パー!」の掛け声が出て、笑顔があれば大成功です。

抜き足、差し足、忍び足

スタッフが前に立ち、「今日は忍者の歩き方を練習しましょう。音を立てずに足踏みします。これが抜き足、差し足、忍び足です。行きますよー、いーち、にい、さーん・・・」と実演します。

利用者は椅子に座ったまま、掛け声に合わせてももを少し上げ、ゆっくり下ろして足踏みをします。スタッフは身振り手振りを大きくして、一つひとつの動作をゆっくり行うようにしましょう。

「そーっと下ろして〜!あ、○○さんお上手です、忍者の経験がおありなんですか?」などと声をかけて笑いを誘い、場を盛り上げていきましょう。

音楽系レクリエーション3選

幸せなら手をたたこう

「幸せなら手をたたこう♫」を歌いながら、リズムに合わせて手を叩くレクリエーションです。

しあわせならてをたたこう ポンポン(手を2回叩く)
しあわせならてをたたこう ポンポン(手を2回叩く)
しあわせなら態度でしめそうよ 
ほらみんなで手をたたこう ポンポン(手を2回叩く)

歌詞は7番まであり、2番は足をならし、3番は肩をたたくようになっています。慣れてきたら、手を叩く代わりに椅子に座ったまま足ぶみをする2番バージョン、肩をたたく3番バージョンなど、その先の歌詞にもチャレンジしてみましょう。

ワルツで指先運動

3拍子の曲(赤とんぼ、ふるさと、みかんの花咲く丘、星影のワルツなど)を選んで、歌詞を大きな紙に書き出しておき、ホワイトボードなどに貼り出します。

CDの伴奏に合わせてみんなで歌いながら、リズムに合わせてゆっくりと、両手をグー、チョキ、パーの形にしていきます。曲の最後は手をブラブラ動かして、リラックスしましょう。

手が疲れたら、歌を歌うだけでも大丈夫。一番の目的は、みんなで楽しい時間を過ごすことです。

音楽鑑賞会

利用者にあらかじめ好きな曲を尋ね、準備しておきます。利用者に集まってもらったら、鑑賞会スタート。スタッフは、曲名と、リクエスト者、曲の簡単な解説をしてから曲を流し、みんなで感想を言い合ったり、思い出を語ってもらったりしましょう。

利用者がリラックスして音楽を楽しめていれば大成功です!

困ったときの対応法

レクリエーションの小道具を食べようとしてしまう

やさしく「あとにしましょうね」と言って止めるようにします。スタッフが小道具の使い方を実演してみせると、わかってもらえることもあります。

途中で関係ない話をし始めてしまう

話を受け入れつつ、自然に本人の気をそらします。「その話はもう聞きました」などとさえぎったり、相手を否定するようなことは言わないようにしましょう。

大声で怒鳴る

感情のコントロールがうまくいかないと、怒鳴ってしまうことがあります。少し様子を見ておさまらないようであれば、落ち着くまでサポート役のスタッフにいったん連れ出してもらいましょう。

重度の認知症の人向けレクリエーション

寝たきりの状態で、話しかけても反応がない、意思表示をしない・・・そんな重度の認知症の人は、レクリエーションを楽しむことはできないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。

参加者が集まって開催するイベント型でなくても、本人が楽しさや感動を味わうことさえできれば、それは立派なレクリエーション。

たとえば季節の花を飾ってみたり、壁に写真や絵を飾るのもひとつのアイデアです。写真のきれいなカレンダーなどは、季節感も感じられておすすめです。

時間があるときは、スタッフがやさしく話しかけ、手を握ったりさすったりすることもすばらしいレクリエーションに。自力でできることが少なくなっても、美しいものを美しいと感じたり、感動する力はしっかりと残されているので、ぜひそのことを念頭に置きながら関わっていってくださいね。

表情が和らげば、レクリエーションは成功!


認知症の人の場合は、その人が安心して楽しめる「居場所をつくる」ことが、レクリエーションの大切な目的です。まずは、本人が楽しめることを最優先に考えましょう。

「プログラムに参加してほしい」「ルール通りにやりきってほしい」など、こちらが少しでも肩に力が入っていると、認知症の人はそれを敏感に感じとって、不安になってしまいます。

途中で席を立ってしまっても、ゲームに集中してくれなくても、気にしすぎないことが大切(もちろん危険なことが起きないように見守るため、サポート人員は確保しておきましょう)。

表情が和らげば成功、さらには、笑顔が見られれば大成功!くらいのゆるいスタンスで、リラックスして臨むのがレクリエーションの秘訣といえるでしょう!


「認知症の人のレクリエーション」監修:山崎律子 編著:余暇問題研究所
「感情に働きかける これからの介護レクリエーション」監修:武藤清栄 編者:エモーショナルな介護レク研究会

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