デイサービスのおすすめレク&盛りあがるレクのコツ

使えるハウツー


ほぼ毎日行われる、デイサービスでのレクリエーション。ただ楽しければいいわけではなく、高齢者の体力作りや機能回復に役立ち、安全で、障がいがあっても参加しやすいなどの条件を満たさなくてはなりません。

せっかくこれらの条件にあっていても、続けるうちに飽きてしまうこともあり、レクのアイデアはいくつあっても困りませんよね。
今回は、レクリエーション進行の流れとともに、デイサービスで人気のレクをご紹介します。

おすすめは脳トレレク、お手玉を使ったレク、ホワイトボードを使ったレクの3種類。盛りあげるための進行のコツもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

デイサービスのレク:進行の流れ

充実したレクリエーションを行うには、段取りも大切。大まかな流れを頭に入れておきましょう!

事前にしておくこと

(1)参加者の状態を把握する

デイサービスでは毎回参加されるメンバーが変わります。事前にメンバーを確認し、体の状態だけでなく、その方の趣味や出身地、元の職業などもチェックしておきましょう。ゲーム中の話題作りに役立ちます。

(2)会場の配置を考える

レクの進行役の立ち位置、利用者の座る位置を確認しておきましょう。安全にゲームや体操を行える間隔も確保しつつ、進行役やホワイトボードがすべての方から見えるようにします。また、体が傾きやすい方、耳の遠い方など、援助が必要な方の近くにスタッフを配置しておきます。

(3)レクで使う小道具を確認する

レクで使うお手玉やカードなどを確認しておきます。数は少し多めに準備しておくと安心。ホワイトボードに歌詞などをはる場合は、すべての位置から文字やイラストが読めるかどうか、大きさや色を確認しておきましょう。

当日すること

(1)進行役のあいさつのあと、チームメイトで軽いスキンシップ

誰だって、知らない人といきなりゲームをするのは抵抗がありますよね。まずは進行役があいさつをします。

さらに一緒にレクを楽しむメンバー同士であいさつと軽いスキンシップを。握手したり、手をマッサージしあったりすると、利用者同士で会話が生まれやすくなるメリットもあります。

(2)ルール説明

ルール説明は低めの声ではっきり、ゆっくりと。一度に全部説明しようとすると長くなるので、説明を前半と後半で区切り、「ではここまで試しにやってみましょう!」と実践を交えながら説明します。

わざと説明の中でミスをして「おっとっと、こうなってしまうと失敗です、皆さんはマネしないでくださいね」などと笑いを誘うのもおすすめのテク。説明にメリハリもつき、ゲームが盛り上がります。

(3)ゲーム中の声かけ

ゲームは参加者の表情や様子を見ながら進行します。反応の良い人を見つけたら、「○○さんナイスキャッチ!」「□□さんの応援はすばらしいですね、皆さんも負けないように応援お願いしますよ」などとこまめに褒めるようにします。

また、スタッフの「せーの!」「よいしょ!」などのかけ声は、ゲームを盛り上げる良い小道具。恥ずかしがらずどんどん声をかけていきましょう。

(4)ゲーム終了

「ではチームメイトと握手をして終わりにしましょう」などと締めくくった後は、お茶などを飲んで雑談タイム。ゲームで興奮した気持ちをクールダウンします。

「良い回答がたくさん出ましたね、10歳くらいは脳年齢が若返ったんじゃないですか?」「負けてしまったけれど、応援ではこのチームが一番でしたね」など、がんばった達成感、楽しかった充実感が感じられる声かけをしていきましょう。

時間があれば参加者にレクの感想を聞いたり、次回のレクの予告をするのもいいですね。

レクの終了後はぜひ自分でも振り返りを。反省点や、次に活かしたいことをメモしておきましょう。他のスタッフから、利用者の表情や反応がどうだったかを聞いてみるのも勉強になります。このメモを次のレクリエーションのときに見返すことで、レクの進行がどんどん上手になっていきます。

脳トレになるレクリエーション3選

脳を刺激し認知症予防にもなる脳トレ系のレクリエーション。レクを敬遠しがちな男性利用者にも興味を持ってもらいやすく、デイサービスでも人気のあるカテゴリーです。

ただ難しすぎると達成感が得られず疲れてしまうことも。難易度は低めに、時間も長く続けすぎず短めに設定するのが良いようです。

色で答えてゲーム(所要時間:10分程度)

紙に色を表す漢字を、その色とは違う色で大きく書きます。たとえば」「」「」「」「白」といった具合です。紙の大きさはA4ほど。

進行するスタッフが、「せーの」でカードを見せ、利用者に色を答えてもらうゲームです。わかっていても、ついつい漢字を読んでしまうのがおもしろいところです。

指足し暗算ゲーム(所要時間:10分程度)

3人1組になり、「指足しアンザン、アンザンポン!」のかけ声で、それぞれ片手で好きな数の指を出します。3人分の指の数を暗算で足し算し、正解を早く言った人の勝ち!

勝負にならないほど暗算が早い人がいれば、スタッフと一緒に審判をお願いするのも良いですね。

漢字作りゲーム(所要時間:20分程度)

「海」という漢字が「氵」と「毎」に分けられるように、左右に「へん」と「つくり」が並んだ漢字を選び、厚紙に書いて左右に切り分けます。これをバラバラにしてよく混ぜておきます。

2人1組になって座ってもらい、スタッフがカードを配ります。配り終わったら、ペアで相談してカードを組み合わせ、漢字を完成させます。より多くの漢字を完成させたペアの勝ち!

お手玉を使ったレクリエーション3選


お手玉は高齢の方にも馴染みのある玩具。適度な重みと大きさで、高齢者レクには欠かせない小道具です。

お手玉で山くずしゲーム(所要時間:5分程度)

お手玉を積んで山を作り、真ん中あたりに割り箸を刺して立てます。5〜6名で囲んで少しずつお手玉をとっていき、割り箸を倒してしまった人の負け。準備も簡単で、すぐに楽しめるプチレクです。

ホットケーキひっくり返しゲーム(所要時間:10分程度)

お手玉をホットケーキ、うちわをフライパンに見立てたゲームです。うちわにお手玉を乗せ、進行役の合図でひっくり返します。お手玉をうちわから落とさず、上手にひっくり返せたらOK。腕だけでなく、上半身の良い運動になります。

進行役は「さあ、そろそろ焦げてきました、ひっくり返しますよ〜、せーの!」などと声かけしていきます。お手玉の表と裏がわかるように、どちらかにシールやホットケーキの絵を貼って目印にしましょう。

お手玉パックンゲーム(所要時間:10分程度)

大きめのダンボール箱にフタを付けて、「パックン」と開閉できるようにします。箱に表情をつけても楽しいですね。利用者はダンボールから1〜2メートル離れたところに扇状に座り、スタッフがフタを開けたタイミングを狙って、お手玉を箱に投げ入れます。

スタッフはフタを開けたり閉めたりして交流を楽しみましょう。開けると見せかけて閉じるなど、フェイントをかけると盛り上がります。

ホワイトボードを使ったレクリエーション3選

ホワイトボードを使うレクでは、全員からボードがちゃんと見えるかどうかが大切。実際に利用者の位置から見てみて、見え方を確認しておくのがポイントです。文字を書く場合は「太く」「大きく」を心がけたり、歌の歌詞は横書きよりも縦書きにするなど、読みやすさに配慮しましょう。

長さ当てゲーム(所要時間:15分程度)

チーム対抗で身近なものの長さを当てるゲームです。利用者を2〜3チームに分け、チームごとに紙テープを配っておきます。「新聞紙を広げた時の横幅」「ポストの高さ」「スタッフ○○さんの足の長さ」など、お題に合わせてチームで相談し、正解だと思う長さに紙テープを切ります。

ホワイトボードに各チームの切った紙テープを貼り、最後に正解の長さの紙テープを貼ります。一番正解に近かったチームから高得点。3〜4問おこなって、もっとも得点の多かったチームが優勝です!

ちぎり絵リレー(所要時間:15分程度)

お題に合わせて、チームで一つのちぎり絵を完成させるゲームです。片マヒなどでちぎり絵ができない人は、審査員で参加してもらいましょう。

チームごとに横に並んで座ってもらい、各チームの先頭の人に1枚ずつ、A4くらいの大きさの色画用紙を配ります。

スタートの合図で先頭の人からちぎり絵を始め、20秒たったら次の人にリレーします。最後の人までちぎり終わったら終了!できた作品をホワイトボードに貼り、審査員役に審査してもらいます。出来栄えの上手い下手ではなく、チームでのコミュニケーションを楽しむゲームです。

「○○なもの」連想ゲーム(所要時間:10分程度)

スタッフがお題を出し、みんなで連想したものを回答していきます。

たとえば「高いものは?」→「富士山!」「東京タワー」「野菜の値段」・・・。「白いものは?」→「空!」「豆腐」「答案用紙」などなど。

出た答えはホワイトボードに書いていき、おもしろい答えやみんなが感心する答えを言った人には、座布団代わりにお手玉をわたします。簡単にでき、頭の体操にもってこい。ゲームが終わったとき、一番たくさんお手玉を持っている人が優勝です!

デイサービスのレク、うまくいかせるポイントは


高齢者向けレクリエーションの基本的な条件には、身体機能の維持回復に役立つ、安全に楽しめるなどがあります。しかし毎日多くの利用者にレクリエーションを提供するデイサービスでは、そのほかにも下記のような条件がついてきます。

1:準備に手間や時間、お金がかからない

ホワイトボードやお手玉を使うレク、作っておいたカードを繰り返し使うレクなどはおすすめです。

2:さまざまな状態の人が一緒に楽しめる

車椅子、片マヒ、耳が遠い、認知症など、抱えている障がいは人それぞれ。みんなで楽しむためには事前の準備が大切です。

レクリエーションの種目選びだけでなく、チームの組み方や役割分担も工夫します。おしゃべりな人と無口な人を組み合わせたり、障がいがあってできない人には審査員や先生などの役割を担ってもらうなど、その人に合わせたフォローを考えましょう。

3:短い時間でも、やったことのあるゲームでも、集中して楽しめる

レクに集中してもらうためには、スタッフの進行も大切な要素。元気よく、明るい調子で発声することを心がけるだけでも、盛り上がり方が変わってきます。大げさなくらいに身振り、手振り、表情をつけるのもおすすめです。

もちろん安全面への配慮は必要ですが、ゲームの進行役が一歩引いていては、盛りあがるものも盛りあがりません。自分もレクの参加者として「一緒に楽しもう!」という気持ちで。

レクの進行は場数をこなすことで上手になっていきます。楽しみながら、スキルを磨いていってくださいね。

参考文献:車いす・片マヒの人もいっしょにできる 高齢者のレクリエーション(三浦一朗著 ナツメ社)

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