先日、リオデジャネイロパラリンピックで「ボッチャ」の日本代表チーム（混合団体）が銀メダルを獲得したというニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。また、このニュースをきっかけにはじめて「ボッチャ」という言葉を耳にしたという方も多いのではないかと思います。

「地上のカーリング」と紹介されることもあるボッチャは元々「重度脳性麻痺者の競技スポーツ」として、主に障がい者の方々が行う競技でした。しかし、「ボッチャ」自体はとても汎用性があり、子供から高齢者までいろいろな世代が楽しめるレクリエーションスポーツで、最近では、学校・病院・老人ホーム等で幅広い年齢層に広がってきています。今回は、そんなボッチャと『介護レクリエーション』についてご紹介いたします。

レクリエーションスポーツ「ボッチャ」とは？

まず最初に「ボッチャとは何？」ということをご紹介します。

ボッチャとは、ヨーロッパで生まれたスポーツで、パラリンピックの正式種目です。もともとは重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツで、現在では世界40カ国以上に普及しています。

この競技は、基準点にジャックボール（目標球）と呼ばれる白いボールを置き、目標球に向けて赤と青の二色のボールを6球ずつ投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競う競技です。障がいによってボールを投げることができない人はランプという勾配具を使います。この場合、競技者にそれぞれ介助者がつき、自分の意思を介助者に伝え、ランプでボールを転がして競技を行います。

「ボッチャ」を行う際は、男女の区別のない『クラス』に別れて行われ、個人戦と団体戦（２対２のペア戦と３対３のチーム戦）があります。競技を行う上での『クラス』は障がいの程度によって分かれていてパラリンピックなどの国際大会では4クラスに分かれて競技を行います。

※参考　「一般社団法人日本ボッチャ協会」ホームページ
http://japan-boccia.net/

ボッチャが『介護レクリエーション』にオススメな理由

「ボッチャ」はレクリエーションスポーツとしての成り立ちもあり、特に激しい運動などを伴うスポーツではありません。そのため、障がいのある人と健常者の区別なく、平等にゲームを楽しめることが「ボッチャ」の特徴でもあります。また、体力や技術だけでなく、頭を使ったりチームで作戦を立てたりするので、障がいがある人はもちろん、子供から高齢者まで一緒に楽しめるのが、大きな魅力となっています。

最初に目標球（ジャックボール）をどこに置くかなども含め、投球の技術と駆け引きが要求されるので簡単そうに見えてとても奥が深く、頭を使います。

『介護レクリエーション』としての「ボッチャ」は、高齢者にとって適度な運動量を得ることができ、頭を使うため、脳の活性化にも役に立つという二つのポイントで今後も広がっていくスポーツなのではと注目しています。

介護レクリエーションとして実例

介護レクリエーションの一環として「ボッチャ」をすでに実践している介護施設もあります。それは、オリックス・リビングさんが運営する有料老人ホーム「グッドタイム リビング 千葉みなと／海岸通」と「グッドタイム リビング 千葉みなと／駅前通」です。姉妹棟である、2棟で「ボッチャ千葉みなと杯」という対抗戦を行っています。この定期戦はチーム対抗で3ヶ月に1度の頻度で開催し、参加者からは大変人気があるそうです。

お元気な方からお身体が不自由な方まで幅広く参加することができるボッチャは、ゲストから大変人気があり、参加者は、試合が始まる前から自主練習をしたり、本番では各々作戦を練りながらボールを投げ、白熱した試合を繰り広げています。また、身体を動かすだけでなく、頭も使うスポーツであるため、脳の活性化にも大きく役立ちます。
出典：http://www.orixliving.jp/guesthouse/project00/blog/2016/08/post-248.html

まとめ

今回は、『高齢者スポーツ・介護レクリエーション』としても徐々に注目を集めている「ボッチャ」についてご紹介してきました。「ボッチャ」は、リオパラリンピックまではあまり知られていなかったスポーツですが、よく調べてみると障がいのある方だけではなく、子供から高齢者までみんなが同じように楽しめる、とても魅力的なスポーツですね。加齢で激しい運動がなかなかできない高齢者の方も、みんなで楽しめそうですね。ぜひ一度ボッチャの体験をしてみてはいかがでしょうか。